今回はまず IB Diploma Programme (DP) の中で、知の理論がどのような役割を果たすのかを見ていきましょう。

「知の理論」とはIB DPの一部で、一般的な教科とは違うところに位置づけられています。以下の図は、DPの学びを表した図です。スクリーンショット(2015-02-03 15.56.19)

国際バカロレア機構 (2014)「『知の理論』(TOK) の手引き」より

中心にあるのは、「IBの学習者像」で表されるような学習者であり、指導の方法や学習の方法を通じて、6つの分野の科目を学習していきます。その学習の核となる3つの要素が、課題論文(EE)、創造性・活動・奉仕(CAS)、そして知の理論(TOK)です。

課題論文では論点を見つけ、調査をしながら論を展開し、自らの意見を主張する文書を作成する力がつきます。創造性・活動・奉仕では、クリエイティブな部分をのばしたり、健康的なライフスタイルのための身体的活動を行ったり、社会に貢献したりすることで、IBの学習者像に則ったアイデンティティーが育成されます。そして、知の理論では、「知っている」ということを深く掘り下げ、どのような方法で学習者は「知る」のか、そもそも「知っている」ということはどういうことなのか、また、知識そのものの本質を分野ごとに分析していったらどのように違うのか等、知識に関するクリティカルシンキングを育成します。

図のように、教科と学習者の間に核としてこれら3つがあります。それは、学習者がただ単に科目を学んで知識を覚えれば良いからでは無く、さまざまな学びをする中で、学習者独自の思考やアイデンティティーが生まれ、それを論理的に主張していけることが重要視されているからです。

知の理論はこのような文脈の中で、学習者がどのように「知」と向き合うかを考えさせる、IB DP にとって核となる科目です。学習者と知をつなぐこの科目は、いったいどのような内容なのでしょうか。

次回は知の理論における、「学習者」と「知」の関係性を見ていきたいと思います。

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